2008年08月22日

里中満智子1

「ほんとうのやさしさ」
 
 みなさん、ドラえもんやのび太くんといっしょにマンガのお勉強をして、いかがでしたか? マンガを描くこつ。 マンガを描くときに何が必要か? そして、何が大切か? 読んでいるとちゅうで、「ん、これは何のことを言っているのかな?」と、頭を悩ませることは、ほとんどなかったと思います。それは「大切なことが、とてもわかりやすくかかれていた」からです。 

 頭で「わかる」と、次に「考える」ようになります。わからなければ、考えるところまでたどりつけないのです。 藤子先生は、読む人がきちんと「考える」ところまでたどりつけるように、わからせてくれたのです。 むつかしいことを、むつかしく言うのはかんたんです。 むつかしいことを、やさしくわかりやすく言うのは、とてもむつかしいのです。 

 日本人の大人には、たいしてむつかしくないことを、とてもむつかしそうに言うことが「かっこいいことだ」とカンちがいしている人が多いようです。だから「わかりやすいもの」を、すこしバカにしてしまうくせがあります。本でも映画でもマンガでもわかりやすく描かれていると「子供っぽい」と、きめてしまいがちなのです。 

 本当はそうじゃありません。 子供にもわかり、そして大人も考えさせられてしまう、そういうものが、本当にすばらしい作品なのです。 

 藤子先生の作品は「ドラえもん」はもちろんですが、その他の作品もほとんどが-「子供がよんでわかりやすく」そして「大人になってからよめば、またいっそう深い意味がわかって、考えさせられる」描き方なのです。 

 子供にわかってもらいたいこと、でも大人になっても絶対に忘れてはいけないこと、それらを、おもしろくわかりやすく描くのは、むつかしいし、めんどうなことです。 

 藤子先生はなぜそういう、むつかしくてめんどうな描き方をつづけてこられたのでしょう?それは先生が「本当のやさしさ」を持った人だからです。やさしいから、一生けんめい苦労して、本当はむつかしい話を、わかりやすくおもしろく描いたのです。


「プロフィール」

里中満智子(1948年1月24日・大阪生まれ)

藤子・F・不二雄のまんが技法・藤子 F・不二雄(著)より)
posted by 浅草太郎 at 18:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 里中満智子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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